補助循環デバイスーIMPELLAとはー

みさんこんにちは、臨床工学技士Vtuberの青峰ツバサです

 

今回は補助循環デバイスの1つであるIMPELLAについて簡単にお話したいと思います。

 

 

1.IMPELLAとは

 ABIOMEDという会社から発売されている補助循環デバイスの1つです。IABPやPCPSと同じようなものと考えていただいても問題ありません。現在日本では200施設ほどでしか使用を許可されていないデバイスです。

 

こちらがカタログです

 

 IMPELLAは経皮的(または経血管的)に左心室に挿入し、インペラ(羽根車)が回転することによって左心室内にから血液を脱血し、カニューレを経て上行大動脈に送血するデバイスです。

 

2.IMPELLAの目的と効果

 IMPELLAはいわゆる急性心不全や心原性ショックに使用されます。左室内の血液を脱血することにより心負荷を減らすことで心筋の回復を期待することが出来ます。また、同時に送血を行っているため平均動脈圧や血流量の上昇させ、臓器灌流を向上させることが出来ます。

 

 Door to Balloon Time という心筋梗塞の患者をPCIにより再灌流させるまでの時間を短縮させることで予後が改善しやすいというものがありますが、Door to Unloadといい、Door to Balloon よりも先にIMPELLAを使用することで心筋梗塞のサイズが抑制されたという報告もあります。

 

3.IMPELLAの禁忌や注意

 IMPELLAが使用できない状況も存在します。禁忌であるのは大動脈弁が機械弁、重度の大動脈弁閉鎖不全の2つが挙げられます(施設等の考えにもよります)。機械弁であると機械弁を損傷してしまう可能性があります。閉鎖不全だと左心室内の密閉性が得られないため適切な補助循環が出来ない可能性があります。

 

 他に注意が必要な状況として、左心室内に血栓があるとインペラに絡まり、停止してしまう可能性。大動脈弁狭窄だとIMPELLAが弁を通過できない可能性。右心不全だと左心室内に血液が流入しないため脱血不良に陥る可能性などがあります。

 

4. IMPELLAについて載っている本

 IMPELLAは比較的最近で出たデバイスの為IMPELLAをメインに書かれた書籍はありません。一番詳しく書かれているのはABIOMEDからいただけるいわゆる説明書でしょう。

 しかし、一部書籍にはIMPELLAについて書かれたものがあるので紹介したいと思います。

 

・ECMO PCPSバイブル

 

 タイトルの通りPCPSの本です。しかしPCPSとIMPELLAを併用に関して少量ですが記載があります。PCPSに関しての本としても良いので高額ではありますがお勧めします。

 

ICU治療指針Ⅰ

 

  ICUに関する幅広い内容が載っている本です。補助循環デバイスの使い分けやIMPELLAの管理、合併症などが載っています。

 

・Clinical Engineering

 こちらはタイトルの通り補助循環デバイストラブルシューティングについての本です。実際に起きたトラブルやそれの対処について載っています。

 Clinical Engineeringは臨床に関して深く記載があるのでお勧めしています。

 

 今回紹介した本以外にも私の知らない本やこれから出る本もある思いますので何か良い本があれば教えてください!

 

 また別の記事にてIMPELLAについて詳しく解説していきたいと思います!